鯛めしの始まりは、宇和島に昔から伝わる六宝というものが元になっています。六宝とは、醤油・酒・みりん・砂糖・ごま・卵の六品のことです。昔の宇和島では、六宝に旬の魚を漬け込み、温かいご飯の上にかけて食べていました。
現在では、鯛の養殖技術も発達し年間を通して鯛が手に入ることから、「鯛めし」としての料理が出来上がりました。
さつま汁とは、焼いた白身魚の身をほぐし同量の味噌と合わせて、だしでのばし、それを温かいご飯の上にかけて食べます。
ちなみに、「さつまじる」とは「佐妻汁」と書くこともあります。
昔の家庭は子だくさんで、妻の仕事を佐ける(助ける)という事からこの名前が付きました。さつま汁があればおかずが要らないと言われるほど栄養価が高く、保存のきく食事でした。
鯛そうめんは、南予では冠婚葬祭には欠かすことのできない郷土料理です。鯛をまるごと一匹甘辛く煮付け、そうめんの上に置き炊いた
干椎茸・ネギ・錦糸卵を飾りつけた、お祝い料理です。
葬儀・法事の際には、茅淳(ちぬ)・九絵(くえ)でおこなうこともあります。
ふくめんとは、蒟蒻(こんにゃく)を甘辛く煮付け、その上に白身魚のそぼろ・陳皮(ミカンの皮)・ねぎを蒟蒻が見えないように覆いかぶせる。そんな姿が、蒟蒻に覆面をしているように見える事から、「ふくめん」の名が付いたとも云われています。
まるずしとは、おからの中にショウガ・ねぎ・麻の実(おのみ)などを入れ、酢や砂糖などで味を調え、同じく酢で〆た青魚を乗せ、それを棒ずしのように一口体に切って食べる料理です。
昔、白米が高価で手に入りにくかった頃、おからを白米の代用食と使っていたことから、「まるずし」が出来たと伝えられています。南予地方は「まるずし」と言いますが、中予・東予地方では、住友グループの屋号である「いづみや」と、呼ぶ事もあります。